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【  2014年11月  】 

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1.小さな春の来訪

滅びの王子アムンセル

2014.11.11 (Tue)

1 甘く芳しい薫りに包まれた花の都。東に海、三方を山に囲まれた自然の要塞、穏やかな気候帯に位置する海洋国家ロアムに春の風が流れ込む。その海の端にほんの一筋の眩い光が差し込み、海に面した白亜の宮殿には昨夜のしめやかなる小雨の名残がきらきらと輝いている。 日の出を待っていたかのように、街路に人々が顔を出し往来を行き交い始め、店先に繋がれたロバが眠そうに鳴きつつ馬草を食む。豊かな黒い大地には、キャベツが...

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2.幼き姫と緋色の王子

滅びの王子アムンセル

2014.11.11 (Tue)

1 朝露の乾き始めた新緑の草原を踏みしめ、厩舎に向かう男が一人。 その足取りは軽やかで、若々しい生命力で満ちていた。獲物を撃ち取ることの楽しみを今から想像し、にこやかに厩舎番に挨拶すると、ブラシを受け取り栗色の馬の背を強く擦り始めた。馬は首を震わせ、長い尻尾を振り回して喜ぶ。手馴れた様子で馬を舎から出し、愛用の鞍を乗せ、鐙に足先を突っかけて跨る。 彼が遠くを見やると、草原の果てから近づいてくる二つ...

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3.深き森にて酌み交わし

滅びの王子アムンセル

2014.11.12 (Wed)

1 馬上の王子に続く絢爛豪華な輿とそれを取り巻く行列に、従者モルライは絶句した。 そして、その輿から降り、地に足をつけた幼子に再び吃驚する有様だった。「王子……。これは一体どういうことですか?」 召喚の内容までは知らされていなかったモルライの戸惑いと驚嘆の交じり合う声は、後にも先にもこれきりだろう。「ラダトリアのカイザリス王の第一王女リィ・シュナ・ベルモナク姫だ。これから、我が屋敷でお世話をさせてい...

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4.約束は守るべきもの

滅びの王子アムンセル

2014.11.29 (Sat)

 明け方、屋敷に帰って来たアムンセルは、寝室で上着を脱ぎ従者モルライに預けると、窓辺から真珠のように煌くスズランの群生に目をやった。モルライは、衣服を下女に渡すと立派な漆黒の箪笥から、白い寝衣を取り出して、アムンセルに渡した。「イエルから聞きましたよ。ラダトリアの王女様とご結婚ですか。……突然ですね」「ああ。父はいつもこうだ。私の知らぬ間に全て決めてしまう」「しかし、王子。では……」 アムンセルは裸に...

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5.真白き陽だまりの部屋

滅びの王子アムンセル

2014.11.29 (Sat)

 リィ・シュナ姫に割り当てられた南の部屋は、王子の寝室の次に広く、日当たりの良い部屋であった。奥の窓辺は睡蓮の池に面していて、今はまだ蕾だが、これから夏の終わりにかけて白い花が水面(みなも)に咲き乱れることだろう。 二年前に父王に屋敷を与えられてから、この部屋には一度だけ足を踏み入れたが、ここは自分の部屋ではないと使わないまま埃を被っていた。 ――ここには女性的な暖かさを感じる、思えば母のような……。 ...

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