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転生王女と赤い薔薇

+5+ お兄様の説教

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「お前が祭りを疎ましく思う気持ちもわからんではないが……」お兄様は少し譲歩した。
 しかし、お祭りに不満があるなんて、一度だって思ったことがないわ。それとも、お兄様は私たち王族に自由がないことを言っているのかしら?
 確かに、両親が続けざまに亡くなった次の年にしては、騒ぎすぎだと私が小声で漏らしたのを、お兄様は聞きつけていたようだけれど。
「あら、疎ましくなんて思っておりませんわ。お祭りは楽しいもの。だけど、お兄様に“ふしだら”だなんて言われる筋合いもございませんこと。お兄様なんて、お祭りの開会式では尖塔の鐘をじゃんじゃか鳴らしていたではないの。はしたなく思いましたわ。即位の翌年で喪が明けたからって、あんなに父上に忠誠を誓っていたハンプティでさえ喜び騒ぎ立てて。鼓膜が破れそうでしたもの」
「わかった。それは悪かったよ。ごめん、オリビア。……まあ、その話は置いておこう」
 私は不服ながらもこくんと肯いた。不毛な話だもの。
「で、結局、神代の御輿やら楽器やらが収納された所を確認して、無事に帰ってこられたわけだね。しかし、こんな夜更けに帰ってきて。最近は非常に物騒なのだぞ。周辺の町村は海賊や盗賊の襲撃を頻繁に受けているというのに」

 ペルセウスの王であるエドガーお兄様は、略奪の報告を何度も受けていたようだけど、私に心配させたくなかったのか、それ以上は口にしなかった。運よく、城下町は被害にあっていなかった。きっと、優秀な魔法戦士団と自警団が守りを固めているからだわ。ついこの間も、巷では海賊の首領を捕らえたという話で持ちきりだったもの。その後、逃亡したとも聞いたけれど。
「それにだ。お前にもし何かあったら、従者たちが責を負うのだぞ?そこまで考えたことがあるのか、オリビア!」
「う……。そのことはとても申し訳なく思います。ごめんなさい」
「うむ」
 私は少しばかり沈黙して、反省の意を表したが、
「さて、謝ったことですし、もう寝ますわ!」と、立ち上がった。そりゃあ、侍女たちには迷惑をかけて悪いとは思っているけれど、彼女たちのおかげで私は毎度無事ですし、欠伸をかみ殺すのもしんどいのだもの。
「自分が疲れたからって、話を切り上げるのは身勝手じゃないかい?」
「では、お兄様はこれから二、三時間を説教の時間に当てて、明日の大切な謁見を居眠りでやりすごすつもり?」
「今更寝たって、夜明けは間近だ。居眠りは避けられそうもないだろう」
「まぁ!それを何とかするのが、万能な陛下の宿命でしょうよ」
 現国王のお兄様に対し、とても無礼な態度を取っていることの認識はある。けれども、それがまた許されてしまう事実も理解している。愛され上手、と侍女は言うのだけれど。前世の私はどうだったかな?こんな私の墓前で泣いてくれた人はいたのかしら。
 私は、背伸びをしてお兄様の頬に軽くキスをした。お兄様は何かもの言いたげだったけれど堪えた様子で、妹が部屋を出て行くのに任せた。
 ドアの閉まる直前、やれやれという声とため息をつく音がかすかに聞こえたわ。
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