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転生王女と赤い薔薇

+13+ 綺麗な夢との相違

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 私、オリビア。ペルセウスの麗しい王女様とは私のこと。
 これから海に出るの。船に乗るのは初めてだけれど、でもこの船は初めてな気がしないわ。ほら、私には前世があって――以前、お話ししたでしょう――、私が書いていた小説の中で、お姫様が誘拐されて船に乗せられて……。その時の船がこの船なのよ。懐かしいこと。本当、なんという素敵な縁(えにし)でしょう。
 それに、船長をはじめ、すれ違う殿方が皆、気持ち悪いくらいに赤い瞳に赤い髪の人々なのも小説と何ら変わりなし。多少の違いはあるようだけれど、まったく出来た世界ですこと。感心感心。

「ちょ……ちょっとお、どこまで行くつもり?」
 私は、男の後ろから文句を言ったわ。さっきから何度も言っているんだけど、反応なし!この人、皆に“レッドローズ”って呼ばれているの。赤いバラ(レッドローズ)……うぷぷ、何という安直な名前。二つ名なのかもしれないけど、それにしてもおかしい。
 しかし、不安だわ。どんどん階段を下りて行って、暗いし臭いし。さっき歩いたところなんか床がミシミシ鳴って、朽ちているのか柔らかくてよ。フジツボがびっしり生えている柱もあったし、まるで浸水したことがあるみたいに……。どこまで私を連れていくつもりなのかしら。
「ここだ」
「え」
「ここに入れ。あんたの部屋だ」
「部屋っていうか。牢屋でしょ、ココ」私は、笑みを貼り付けて棒読みした。
「そうだ」
「ろーや?」一縷(いちる)の望みを信じて、訊ねてみる。
「そうだ」
  ・
  ・
  ・
「ひどいわ!!淑女をこんな所に閉じ込めておくつもり?」
 三秒後、感極まって叫んでいた。こんな扱いってないもの!何かの間違いだわ!
「あんたは一応人質だし、変なことされても困るからな」
 男は憐れむような目で私を見た。私が何かやらかしそうだから、とでも言いたげだ。
「そ……そんな……。話が違うわ」
「何の話だ?」
「“おとなしく付いて来れば、悪いようにしない”って言ったじゃない」
「言葉の通りになるとでも思ったか?のこのこついてきて、あんたは馬鹿か?俺たちは言わずと知れた悪党なのだぞ?」
「私は曲がりなりにも一国の王女なんですのよ!」
「ここでは、王女である必要はない」
「でも!私を誘拐して、交渉の切り札に使うつもりだったのでしょう?」
「一体何の交渉だ?」
「え……。ヘレシーの解放?」
 レッドローズは深くため息をついた。何、そこも違うの?
「やれやれ。あんたはどこまで知っているんだか。まったく油断のならない女だ」
「ほら、入れ」
 レッドローズという最低最悪な男は、私の臀部(でんぶ)を蹴り飛ばして、三畳ほどの狭い牢屋に押し込んだわ。鉄格子に手をかけてガンガンやろうとしたら、先客のわかめさんがぶら下がっていた。ちにょーん。うぎゃ。
 男は慣れた手つきで、大きな南京錠を取り付けた。
「食事は部下に持ってこさせるから、心配するな」
「ちょ……待って。私の荷物は?」出ていきかけた男に、私は慌てて声をかけた。
「ああ、杖が入っていたな。おかしな真似をされても困るので、全部没収だ」
「そ……そんなあ」杖を入れたのは、御髪(おぐし)を毎日セットするためだったのに。
 私の落胆の声なんかまるで聞こえてないみたい。
「この船が沈まないよう、祈っておけよ」と、レッドローズは踵(きびす)を返し去っていった。
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