スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←+14+ 復讐の手段 →+16+ 麗しい美少年
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png 活動報告
  • 【+14+ 復讐の手段】へ
  • 【+16+ 麗しい美少年】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

転生王女と赤い薔薇

+15+ 監禁生活の幕開け

 ←+14+ 復讐の手段 →+16+ 麗しい美少年
 私は、物音と振動で目を覚ました。
 食器のこすれあう音や落として割ったような音、男達の驚いた声や笑い声が壁のずっと遠くの方で聞こえる。
 しかし、ここは窓もなく、闇一色に包まれている。
「見えない天井だ」
 はっ。いけない。ふざけている場合ではない。ここは……そう、船の中の牢屋。私としたことが、こんな不潔な場所で眠り込んでしまったのね。姫君の居室に牢屋をあてがうなんて、
 ――卑劣な男。
 私は復讐を決意しながら、上体を起こした。
「チュウ」
「え?ちゅう?いやだ、いきなり。恥ずかしいワ」
 思わず音のした方を振り向くと、傍らで大きなドブネズミが二匹、ブイの縄を齧っていてよ。
「きゃあああ!」私の悲鳴に驚く様子もなく、黙然と齧り散らかす二匹。
「お目覚めかあ」鉄格子の前におじさんが座ってパイプをふかしている。
「ぎゃああああ!」
 再びあげる悲鳴に堪えたのか、ネズミたちはようやく牢屋から撤退した。なんとまあ、彼は一部始終を見ていたのだった。不覚である。私は恥ずかしさに手に汗を握った。
「よっぽどお疲れだったんでしょうなあ。もう昼ですぜ。食い物を持ってきやしょう」
 年老いた小柄な男は、禿げ上がった頭とは対照的に赤い髭をもっさりと口に蓄えていた。例えるなら、サンタクロースのカニバリズムである。男は出ていきかける。
「ねえ。待って、ゾーン。ここには明かりがなくて、何も見えないの。あなたの持っているランプのおかげで、この部屋が少し見えるくらい。だから、それを置いて行ってもらえるかしら」
「んあ?そったら、俺あどうやって戻ればいいんで?」
「あ。それもそうね。ごめんなさい。では、ランプを持ってきてもらえるかしら」
「へいへい」そう言うと、男はゆっくりと階段を上がっていった。
 あ、そう言えば、私、さっきの人をゾーンと呼んだわね。無意識のうちに。彼はそれに違うとは言わなかったから、やっぱりゾーンはゾーンなんだ。小説と同じだったり違ったり、不思議だわ。

◇◇◇◇

「嵐はすっかり収まったみたいだな。ひどい嵐だった」
 レッドローズ船長は、口に大きな笑みをたたえながら言った。甲板には、乗組員全員が集合していた。彼らに疲れた様子はないが、一方の船長はバケツの水をかぶったみたいだった。
あの後、再び暴風雨に見舞われたのだ。だが、彼は一族が持つ不思議な力で、船を微動だにせず嵐を退散させてしまった。その間、嵐に気づいて甲板に出てきた者はいなかった。
「ジュナイが乗っていたら手伝ってくれただろうに」
 レッドローズは冗談で言ったつもりだったようだが、兄弟といえるくらい親密な仲間達ローガンやクインズ、スクイナフ、サイザールは、ぶつぶつと言い訳を呟いていた。
ランウェルは、少年乗組員シャインに言いつけて、船長の着替えを持ってくるように指示した。
 そこへ赤髭ゾーンがやってきた。
「船長!シトジシが目覚めやした!」
「そうか」レッドローズは落ち着き払って言うと、ランウェルを見やった。彼は頷くと、料理を運ぶために調理室へと戻っていった。
「ゾーン。あれは何か言っていたかい?」
「アレ?」
「オリビアだ」
「オリビアダ?」クルーたちがどっと笑った。
「わかった。もういい。ああ、シャイン。着替えをありがとう。彼女にランプを持って行ってやれ。流石に可哀想だからな」
「僕がですか?」
「ランウェルと一緒に行きたまえ。ちょっと話し相手になってあげろ」
「はい……」
 シャインの浮かない顔に、さもあらんと船長は理解を示した。だが、これは命令である。
関連記事
スポンサーサイト


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png 活動報告
  • 【+14+ 復讐の手段】へ
  • 【+16+ 麗しい美少年】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【+14+ 復讐の手段】へ
  • 【+16+ 麗しい美少年】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。