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転生王女と赤い薔薇

+24+ ピエロとツンデレ

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「私は会計係です。旅に出る資金を調達したり、集めてきた財産を集計したり、分配したりします」
「そう。まあ、それはいいのだけど、船長はいつこの状況を説明しに来るのかしら?」
「説明?」ジュナイは戸惑いながら私の顔をうかがった。
「ええ。病気なんでしょう?」
「病気!?」
 あら、先取りしすぎてしまったか。半歩先を行くのがオリビア流。
「姫よ。どこで、そのような情報を?まさか、シンシャが」
「いえ。彼女は何も?でも、……」
「でも?」
「なんとなく、適当に言ってみただけよ」と、適当に言ってみる。
「まあ、正確には怪我ですね」ジュナイはあっさりと打ち明けてきた。
 そうだったわ。レッドローズは城下町で人間に捕まり、拷問を受けて大怪我を負った。鞭の呪いは病気に近いが、打撃による傷は怪我でもある。私は腕を組み、深刻そうに頭をゆすった。
「心配ですか」
「そうね」
 物語の進行的には、そろそろ小康状態になるはずだと信じたいが。シンシャがベイスンには医者がいないと言っていたし、なかなか回復しないのだろうか。
「私を攫(さら)ったのには、狙いがあるのでしょう?それを確認したいのよ」
 私の利用価値とやらをジュナイが答えられるのなら、それに越したことはないが、彼の説明は信用に足らないので、そこまで要求しなかった。心の中でため息をつく、私(オリビア)はまだ十六歳の乙女である。白髪(ハクハツ)になってまで、私何やってるんだろう。

「オリビア姫」突然、お声がかかる。
 私は頬杖(ほおづえ)から頭をもたげ、無言でジュナイを見上げた。彼は思案顔で言う。
「本来であれば、私がここまで言うことはないのですよ。一応、人間はヘレシーの敵ですから、グラナトが怪我で伏せているなどと仇に弱みを晒すことは、あってならないことなのです。しかし、あなたに教えてしまった。……なんというか、すでに知っているようでしたしね。私もそれ以上のことを口に滑らしたくなってしまうのです」
「あなたはそういう人だもの。不思議じゃないわ」
「はて、私はあなたと初対面のはずですが。どこかでお会いしたのでしょうか」男の眼鏡がきらりと光る。
「う……。そうね。以前、似たような人に会ったことがあるの」私は答えに詰まった。
「似たような人?それは我らとは相容(あいい)れない人間ですか?人間にせよ、ヘレシーにせよ、人格は一人ひとり違うものです。同じに扱わないでほしいものですな」
「……その通りね。ごめんなさい」私は椅子に腰かけたまま、棒読みの如く謝った。
「我々にもプライドがありますからね。我が祖の血統ゆえに、命儚くも意志は固いのですよ」
「はあ」
「そこ!どうして突っ込まない?」
 再び思索に入ろうとする私に、ジュナイは一発芸人よろしく体を大げさに動かし、両手の人差し指を向けて騒いだ。
「はい?」
「我が祖って誰よ?とか、命が儚い?とか、どうして折角出してあげたキーワードに突っ込んでくださらないのですか?」
「質問してほしいわけ?」面倒くさそうに目を細める私に、ジュナイはぶんぶん首を振った。
「い……いえ。別に、そういうわけでは……。でも、知りたいでしょう?」うざいわ、この男。
「うーん。特には。わからないことは船長に訊ねるからいいのよ」
「グラナトに?」
「そうね」何をわかりきったことを訊いてくるの?あなたじゃ埒が明かなそうだもの。
「教えてくれないかもしれませんよ」
「船長が教えないことは、きっとあなたも教えないでしょう」
「そうですね。ただ、口を滑らすことはあるかもしれませんが……」
 それはそれで問題だろ、と突っ込みを入れたくなったが、話が続くのは憂鬱なので反応しなかった。ジュナイは手持ち無沙汰(ぶさた)に私の周りをうろうろ歩いている。跪(ひざまず)いてお祈りをしたり、手袋を装着してみたり、ステッキとシルクハットの具合を確認してみたりとウザったい。視界から消えろ、ピエロ。

 そう思っていたら、玄関口で音がして、スクイナフが入ってきた。
「おい。バカ。ノイザは?」私のことをバカと馴れ馴れしく呼ぶスクイナフ。
「今日は来てないわ。バカイナフ」
「おい。何だと?もう一度言ってみろ」やばい。心に思っていることが口に出てしまった。
「いえ、なんでも。ノイザは来てないわ」
「ふん。それより、ジュナイ。あんた、なんて格好しているんだ」
 スクイナフが指さすと、そこにちょび髭をつけ、ステッキを手にひょこひょこ歩くチャップリンのような姿のジュナイがいた。私とバカは同時にため息をつく。
「何って、コスプレ?いえ、これで姫様と散歩しようかと」
「もう、夕暮れだよ。明日にしたら?」物語では、ジュナイはスクイナフより年上のはずなんだが、変り者過ぎて皆に呆れられている節がある。
「え。明日、私も散歩していいの?」
「監視付きだがな。レッドローズから許しが出た」スクイナフは不満そうに言った。
 一か月以上も監禁しておいて、今頃かよ。とはいえ、今頃になったのは、何か理由があるのかもしれない。例えば、怪我が重篤(じゅうとく)で今日日(きょうび)意識が戻ったとか、そんなところだろう。
「へえ。わかった。ありがとう」
 私は何気なくお礼を言ったのだが、その途端スクイナフが赤面してのたまった。
「お、俺は承服(しょうふく)しかねるって反論したんだからな。バカ女を外に出したら、何をしでかすかわからないって。え、だから、俺に礼なんか言うなよ」
「!?」
 なんなんですか。急に顔を赤らめて。ツンデレシチュじゃあるまいし。牢獄でひどいことをされた身としては、いくら見た目が美貌の好青年でも全然萌えないし。つーか、スクイナフは私の前ではいつも悪人面しているんだけど。
「まあまあ。スクイナフ君。言っておくが、オリビア姫と散歩するのは私の役目ですからね。あなたは妹君と仲良くお家に引っこんでなさいよ」
「なっ」
「どうやら、君は姫を嫌いなようだし、姫も君のことを嫌っているようだ」
 ジュナイが目をそばめて淡々と言うと、俄然(がぜん)スクイナフの肩から力が抜けていくように見えた。ざまあない。
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