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転生王女と赤い薔薇

+25+ 不思議なBL回

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―レッドローズ・サイド―
 バタンとドアの開閉音が聞こえ、速足で誰かが部屋に向かってくる。この家の主と想像はつくのだけれど。俺はまどろむのを止めるか、再び眠りにつくか、床の中でじっと考えあぐねていた。
 彼は部屋に入ってくるなり、盥(たらい)を持って部屋を出ていき、水を満たして持って帰ってきた。俺は目を瞑っているのだが、たぷたぷと水がゆれたり跳ねたりする音が聞こえるからである。盥をサイドテーブルに置くと、彼はおそらくタオルを水にぽちゃんと浸(ひた)した。絞られて水が滴り落ちるのが聞こえて、俺はようやく目を開けた。
「目が覚めたかい?」
 そう言った本人は、水でぬらしたタオルをいきなり俺の目にかぶせた。もう少し寝ていろとでも言わんばかりに。
「ふざけるな!」俺は、それをひったくり投げつけた。
「あはん。元気があるね。良かった」
 胸元に当たったタオルを握り締め、再び瞼に乗せようとするが、俺は拒絶する。具合が悪いのをわかった上で、おふざけを繰り返すジュナイは、馬鹿なのか意地悪なのか……。
「でも……やっぱり、目が落ち窪(くぼ)んでいる。頬を紅潮(こうちょう)させて少年のように笑みを振りまく私のグラナトはどこにいった?」急に心配そうな面持(おもも)ちになるジュナイ。
 俺はどうでもよくなって目を閉じた。ジュナイは気を使ってくれているのだが、やっかいなことに迷惑なのだ。こちらは重傷なのにさらに滅入って参ってしまう。
「グラナト?死なないで?またいつもの突然死かい?突然死は面倒なんだよ。解剖(かいぼう)があるしさ。あ、でもちょっと待ってて、人工呼吸してやるからさ」
 空気の流れと微妙な圧力を感じて、俺はぶわっと目を開けた。文字通り目と鼻の先にジュナイの唇(くちびる)があった。ルージュを塗ったかの如く、深紅(しんく)に染まっている。俺は全力で奴の体を押しのけた。
「なんだ、狸寝入(たぬきねい)りか」
 ジュナイは何事もなかったかのように襟元(えりもと)を正すと、自嘲(じちょう)気味に笑った。
「突然死のジョークはちっとも面白くない」俺が言うと、ジュナイはこくんと頷いた。
「それより、彼女の様子は?」
「ああ……健気なお姫様のことかい。ずいぶんとひどい目にあった割には、けろりとしているよ。お前さんのことも心配していたし」
「心配?何か喋ったのか?」
「いんや。でも、わかっているみたいだったよ?体調のこと」彼は椅子に反対に腰かけて背もたれに両手をかけた。
「誰かが話したのか?」サイザールかスクイナフ、シンシャ、ノイザ、或いは他の誰かが、彼女に話したのか。考えにくいことだが。
「うーん。誰かが話したとみるよりは、彼女の推測がたまたま当たった、って感じかな。いや待てよ。私のことも知っているようだったし」
「ジュナイのことを知っている?」俺はいぶかしがった。
「ああ。僕は今じゃ海に出ないからね。お姫様と面識はないはずなんだが、僕の扱いに慣れている、というか冷めた目で見ている」
「そうか……」まあ、ジュナイを冷めた目で見るのは、わかる気がする。
「で、明日、散歩に行く約束をしたよ。いつまでも家にいたら退屈だろうからね」
「ああ。人間たちはヘレシーベイスンを大きく誤解しているからな。あの女に世界の広いことを説いてやるつもりでお願いする」
「合点承知の助!」
「……」なかなかいつも、俺はリアクションに困るのだった。
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