スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←+28+ 八つ裂きにされろ →+30+ 二人の救世主
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png 活動報告
  • 【+28+ 八つ裂きにされろ】へ
  • 【+30+ 二人の救世主】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

転生王女と赤い薔薇

+29+ 始まりの予感

 ←+28+ 八つ裂きにされろ →+30+ 二人の救世主
 しばし、惰弱(だじゃく)な沈黙の後、気を取り直したレッドローズが発言した。
「ともかく、謝っておこう。お前をここへ連れてきたこと。それから、ひどく待たせたことを」
 先にそこを謝ってほしかったな。後の祭りではあるけど。
「でも、悪いとは思ってないんでしょ?」
「え?」
「私をだまして連れてきたのは謝るけど、悪いことはしていないと思っている。確信犯だわ」
 彼は彼の信念に基づいて、私を誘拐したってわけ。それは知っている。だけど、その理由が小説とそのままかどうか、確認しておく必要はあるわ。
「そうだな」彼は肯(うなず)いた。
「うむ。そこから説明する必要がある。牢に閉じ込めたことは悪かったと思っている。シンシアに言われたからでなく」
「そのことはもういいから……」彼女(シンシア)の絶大な影響力が伝わってくる分、彼(レッドローズ)に幻滅してしまう。
「ひどいことをしたが、あんたの、いや“お前”の協力が必要なのだ」
 そこ。あんたをお前に言い換える必要がある?どっちも嫌なんだが。つーか、誰かに言わされている?

 サンルームからの日差しが薄くなり、部屋は少し暗くなった。明かりがあるから大丈夫だけど。長い話になるのだろうと思うと少し鬱になる。
 違う角度で蝋燭の光があたり、彼の頬がつやをなくしてこけているのがわかった。さっきから声も弱弱しいので、彼をあまり責めないであげたいとは思う。私ったら心優しい王女様だわ。
「まず、お前はどこまで知っているのだ?」
「え」
「散歩から戻ってきて、さっきジュナイに聞いた。お前はあれを見て何も驚かなかったと」
「ゼイガーのこと?」
「ゼイガーはベイスン以外では見ることが出来ない。ヘレシーの研究機関があるブレイブタウンでも極秘扱いされていて、変異体の存在を知る者はわずかだ。王族の者ともなれば、その存在自体を知らないこともないのかもしれないが、お前は実際に目の前にしても驚かなかったと聞いた」
 ふうん。やはり、そういうところが気になるんですか。おちゃらけ専門のジュナイ含め、抜け目ない一族だこと。でも、私の方が一枚も二枚も上手なはず。だって、この世界の原作者なんですから。
「私があの赤い生き物を見て驚かなかったと、ジュナイさんがおっしゃったんですか?それは、間違いだわ。表面的にはそう見えたとしてもよ。彼が農園の赤い牛を指差して、『僕たちと同じ仲間だ』なんて言った時には、本当にたまげましたもの」
「ほう。なるほど。では、ヘレシーの歴史についてはどのくらい知っている?」
 どのくらい、と言われても、話していいこととよくないことの区別がつかない。彼の癇に障ることは、なるべく言わない方がいい。ローマの格言曰く、沈黙は金だもの。
「ほぼ知らないと思うわ。私は専門家じゃないし、王女だからといって特別な教育は受けていないの。特に歴史は得意な分野ではないし。私がヘレシーについて知っているのは、王国の標準的な教科書に書いてあるようなことだけよ」
「では、誤解も多分にある、という認識はあるのか?」
「まあね」そんなことがあるとでも?と思いながら、私は嘘をついた。
「わかった。俺たちのことを説明するのは極めて時間を要することだが、今回の件との関わりも非常に深い。ヘレシー歴史を交えて、君に話さなければいけないことがある。それから、なぜお前をさらったのかということもはっきりさせておかないといけないな」
 ごもっともです。さっさと、ちゃきちゃき説明しておくんなせえ。
 男は椅子に深く腰掛けなおした。私は始まりの予感がして、レッドローズの顔を見つめた。
関連記事
スポンサーサイト


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png 活動報告
  • 【+28+ 八つ裂きにされろ】へ
  • 【+30+ 二人の救世主】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。
  • 【+28+ 八つ裂きにされろ】へ
  • 【+30+ 二人の救世主】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。