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転生王女と赤い薔薇

+31+ 毒を盛りますか?

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「話はわき道にそれたが」
「……」私はむすっと仏頂面をして見せたが、軽くスルーされたわ。
「君たちの祖先ヴェルサーモロが、英雄の誉(ほま)れによって王国の創始者になったのに比(ひ)して、一緒に戦い世界を救った“我が祖”は名前をも抹消(まっしょう)され、我々異端(ヘレシー)と罵(ののし)られる者たちの祖先となった。どうして、俺達が異端(ヘレシー)と呼ばれているか、知っているか?」
「イイエ」ぶんぶんと首を横に振る私。
「ふん。知ってそうな面をして嘘をつくな。まあいい。それはな、俺達が悪魔の契(ちぎ)りを連綿(れんめん)と交わして、子孫を作り続けてきた化け物だからさ」
「悪魔の契り?」
「本当に知らないのか?お前は顔で損してるな」
 なによ。ひどくない?さっさと話しなさいよ。と、思わず言いそうになったけど、ここはぐっと堪えて、相手の言葉を待った。レッドローズも私の反応は意に介さないらしい。間をおかず語りだす。
「ヘレシーの口承(こうしょう)では、彼ら魔術士(ヴェルサーモロ)と巫術士(わがそ)は親友だったという。世界を治める戦いが終わった後、――それは北端の氷塊(ひょうかい)の上で決着が着いたというが定かではない――、二人とその仲間達は意気揚々(いきようよう)と帰りの船に乗り込んだ。だが」
 レッドローズは息をつめた。私も腰かけなおし姿勢を正した。
「その帰途で、“我が祖”は船から突き落とされた。彼の娘と共に」
「何者かによって我が祖は海に突き落とされた。彼ら親娘(おやこ)は溺れかけながらも、運よく波間に漂っていた板切れに縋(すが)りついた。強い潮の流れに乗って、ようやく辿り着いたのが、絶海の孤島。ヘルスカルアイル……」
 彼の声は重く沈み、所々息を切らしていた。額には玉のような汗が浮かんでおり、テーブルに両腕をついていたレッドローズは、ついに突然首をがっくり垂れた。
「OH(オウ)!?」
 待て、私。変な声出すな。OH!?とか、外人かお前は。予期していたことだというのに、いきなり人が失神すると、慌ててしまう。私は飛び上がると右往左往して、外に助けを呼びに行こうとした。だが、レッドローズは意識を取り戻し、私の腕を掴んだ。
「すまない。水を持ってきてくれないか……」彼はかすれた声で言った。
 ああ、だからお茶を用意しとけって、言ったのかしらこの人は。
「いいですけれど、毒が入っているかもしれませんわよ」
「……ふむ。そうかもしれないな」
「そうよ」
 今なら、余裕であんたを殺れるわ!あそこに花瓶だってあるし、あの絵画を壁から外せば額縁も鈍器になるわ!
「だが、お前の目は爛々(らんらん)としている。良く知っている好奇の眼差しだ。俺たちを見世物にしたときの人間の目だ。もっと知りたいだろう?この話の続きが。自分がなぜ、こんな辺鄙な里に連れてこられたのかを。俺を殺せばわからなくなるし、ついでに言えばあんたも殺される」
「私が逃げられないとでも思っているの?」
「ジュナイがいる限りはな……」
 うっ。なるほど、そういうわけね。それで、彼を私に引き合わせたのね。賢しい男。レッドローズを侮るなってことか。ジュナイの能力には――まだ、確かなことは言えないのだけど――私も気を付けなきゃいけないわ。
「仕方がない、水を持ってまいりますわ。……けど、だからと言って、私が毒を盛らないかは、断言できませんよね」
「ふふ」レッドローズは私の言いたいことがわかったのか、口元に笑みを浮かべた。
 今は笑っていられるかもしれないけど、私が彼を殺す可能性はゼロではないのだから――それくらい私は憎んでいるのだから――、彼だって怖いはずよ。その度胸を試してあげようではないの。
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