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転生王女と赤い薔薇

+32+ 胸の谷間の代わりに

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 私は特製のお茶を作ったわ。ええ、彼を待たせてね。あ、一応断わっておくけど、排泄物を飲ませるとか、どこぞの漫画のような下ネタには堕(だ)していないから、安心してね。毒を入れたか、入れないかは、私しか知らないの。彼はどういう風に飲むかしら。
 て、おい。リビングに戻ったらレッドローズがテーブルに伏せっているんだが。私は駆け寄って、彼の額を触った。高熱だわ。まったく、毒を飲ませるのも忍びない気にさせてくれる。
「大丈夫?」
 私は優しく揺り起こしてあげた。なんて、慈悲深い王女様なんでしょう。
「あ……水か……?待ちくたびれたぞ……」体が振り子のように揺れ、目線があてどなくさまよっている。ちょっとこれ大丈夫なん?医者はおらんのか?まあいい。
「はい。どうぞ。私の特製のお茶です」レッドローズは湯呑に触れて手を引っ込めた。
「熱いじゃないか。でも。……ほう。いい香りだ」
 あ、あ、あっと思ううちに、彼はごくごくと飲んでしまった。朦朧としていて、さっきのやり取りをまるで覚えていないみたい。そんなことに頓着する余裕すらない体なのだろう。彼は飲み干すなり、ぐったりとソファーに凭れこんだ。これで毒を盛っていたら、彼は即死で、死を覚悟した私の願いはすでに成就したわけだけれども……。

「ふむ。お嬢、グラナトに何を飲ませましたかな?」
「わ!びっくりした」声のする方を振り向けば、そこにはあのピエロがいた。ジュナイだ。
「こちらが訊きたいくらいよ。どこから来たのよ?」
「ふふ。また質問を質問で返す。人間らしいお方だ」
 ジュナイは、レッドローズの手首に自分の指を押し当てていて、脈を測り終えたようだった。異常はないと見たのだろう。
「オリビアお嬢が飲ませたのは、眠り薬ですかな?彼を眠らせて、逃げようとでもお思いになったのですか?」眼鏡の奥の瞳を光らせて、彼は言及する。
「ふん。そんなことをしたって、あなたがいたら逃げられないでしょう」
「へえ。なぜそうお思いで?彼に訊いたのですか?」
「……あなたは言の端を捉えてくるから、嫌いよ」
「嫌いで構いませんが、何を飲ませたのです?毒ではないようですが」
「毒よ」
「え」
「でも、死ぬような毒じゃないわ。微量だから。たくさん飲めば、副作用はあるでしょうけど」
「といいますと、やはり……薬ですか」
「まあね」
 私の常備薬だ。ミスリルローブの魔石のブローチに忍ばせてあったのだ。もともとは、上級魔法使いが敵国に捕らえられて拷問により自白を迫られたときに自害するための毒薬を入れておく所なのだけれど、エドガーお兄様が物騒だからといって、鎮痛剤に替えたのである。私の胸の谷間代わりってわけ。
「お兄様のおかげで、レッドローズの痛みは和らぐわね」
痛みが消えたので、心が落ち着いて眠り込んだようだが、私は彼が戦々恐々としながらお茶を飲むところが見たかったのだけれど。
「ほう。それは助かりましたな」
「まあ、そんなに長くはもたないわ。この薬の効き目はとても優れてはいるけれど、呪いの傷には訊かないもの」
「呪いの……傷。はて、そんなことまで、オリビア嬢にお話ししましたっけ」
「あら、私、そんなことを言いましたっけ?オホホホホ」手を口の脇に添えて誤魔化すように笑ってみる。やばい。ひやひやするわ。
「……。まあ、良いでしょう。私はこれからグラナトを寝室に運びます。その後で、続きをお話ししましょう」
 ジュナイは、両手のひらをレッドローズに向けて力を込める。すると、男の体が浮き上がった。それをゆっくり回しながら、体を伸ばし横たえると、慎重に寝室へと運んでいく。ドアですら、ジュナイの一睨みでバタンと開くのだから不思議である。
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