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転生王女と赤い薔薇

+34+ 奇妙な三者面談

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 話し手は、ジュナイからサイザールに代わった。そして、ジュナイはレッドローズの様子を見に寝室へ行ったきり戻ってこない。前世の小説から、二人は出来ているとも噂される間柄だったが、実際はどうなんだろう。……。一方、リビングではこれから奇妙な三者面談が始まろうとしている。
「まあ、この先長そうだし、粗茶(そちゃ)ですが。どうぞ」私はお茶を振舞っていった。
「ああ、ありがとう。気が利くね、ミス・オリビア」
 クラッカーを頬張りながら、紅茶の香りに心地よさげなサイザール。
「ミスは付けなくていいわ。サイザール」私は彼と笑いあう。
「サンキュー」と、スクイナフが横槍を入れてくる。軽口よね、この男。身の程をわきまえなさい。
 ずずずず……(音立てんなよ、バカイナフ)
「なかなか良いお手前だね。美味しかったよ、オリビア」
 本当に女性の扱いが上手なんだから、サイザールは。妹のシンシアもそうだけど、二人は完全無欠な感じがするのよね。
「け。豚もおだてりゃ木に登るってか」
 対してスクイナフは、シャインとノイザという可愛らしい弟妹(ショタロリ)がいるのに、なんでこんなに性格が悪いのかしら。
「おい!くそ不味い茶の口直しにクラッカーのお代わりをよこせ!」
 ……。今に見てなさいよ。口もきけなくしてやるから。私は、クラッカーの皿ごと彼に差し出したが、だんまりを決め込んだ。

「さて、では続きを話そうか。ヘルスカルアイランドに我が祖と彼の娘が漂着したところだったね。我が祖は悲しいかな死病(しびょう)を患(わずら)っていて、先が長くないことを知っていた。娘を一人残すのは不憫(ふびん)に思い、島内に人がいないか探しに行かせたのだ。しかし、誰もいなかった……」
「そこまでは聞いたわ」
「その後、詳細な経緯はわからないが、父娘(おやこ)で夫婦となったのだよ」
「……」
「脱出する方法のないまま、彼らは子供を作った。しかし、その子が生まれる前に我が祖は亡くなった。ヴェルサーモロに裏切られた憤怒(ふんぬ)で熱病に罹り、恨み言を吐きながら、無念のうちに逝った、と言われている」
 本当にヴェルサーモロが突き落としたのかはわからないけど、決めつけにかかっているのはサイザールだけではないだろう。きっと多くのヘレシーがそう信じている。
「子供は一人、男の子だった。娘はその子が育つまで待ち、そして年端もいかない少年を男にして、また孕(はら)んだ。我が祖の血を絶やさないためにね。母と息子の間には、数人の子供が生まれた。その後も兄弟や近親で結ばれていったのだよ」
「……なるほど。それで、皆さんの髪は同じように赤いのね。きっと、我が祖という方の髪と瞳も真っ赤で、あなた方にそっくりなのね」
 サイザールは頷(うなず)く代わりに自分の髪をかき上げた。美しい額が炎に照らされる。隣でスクイナフが我慢ならないような面持ちをしているが、この二人の容姿も兄弟のようによく似ているのよね。性格は全然違うけど。
「で、今ここにいらっしゃるということは、そのヘルなんちゃらとかいう島からは脱出できたのでしょう?」
 ヘレシーベイスンは、ペルセウス王国のあるペガシス大陸の西に位置し、南北に長く伸びるドラコ大陸の湾曲した横腹の中部にある。不便な土地だが、絶海の孤島ほどではない。ここに我が祖の子孫である彼らが生活しているということは、ある時点に島を脱出して、この土地に移住できたということだ。
「おっしゃるとおり。脱出の機会は、我が祖が亡くなってからおよそ五百年後に訪れた。事の発端は、ペガスス大陸で起こった産業革命さ。魔法の力が機動力に応用されるようになり、空を飛ぶ船の生産が始まったのだ。ペルセウスの魔法地理班が、世界図を作るために飛空挺(ひくうてい)で世界を飛び回っていた時代だ」
「魔道士ヴェルサーモロの子孫で初代魔法戦士隊長を務めたライラ・アンジェラスが、ババアになって辛うじて生きていた頃だな」と、スクイナフが補足した。
「左様。飛空旅行がブームとなる一足先に、国王から未踏の地へ探検する命を受けた優秀な地理班は、ヘルスカルアイランドで私達の憐(あわ)れな祖先を発見したのだよ。彼ら地理班は助けてくれと懇願する三百人あまりのヘレシー達のうち、まるで植物の採集でもするかのように、健康体の男女五組、計十人しか連れて帰らなかった。記録によれば、残された者のほとんどは奇形だったというのだけど……」
「……」
 五百年余り近親交配を続けてきたというのもすごい話だが、遺伝的異常がどの程度だったのかは、いくら原作者でも知りようがないわね。とにかく設定がハードすぎる。
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